特定健診・特定保健指導

生活習慣を見直すとどのような効果があるか、詳しくご説明します。 生活習慣を見直すとどのような効果があるか

日本人の生活習慣の変化や高齢者の増加等により、近年、糖尿病等の生活習慣病の有病者・予備群が増加しており、生活習慣病を原因とする死亡は、全体の約3分の1にものぼると推計されています。

生活習慣病は、一人一人が、バランスの取れた食生活、適度な運動習慣を身に付けることにより予防可能です。
まずは、ご自身の健康状態を毎年確認し、健康づくりにつなげていくことが重要です。1年に一度、特定健診を受診し、生活習慣の改善が必要な方は、特定保健指導を受けましょう。

※短期人間ドック(40歳以上対象)を受診することで法定健診・特定健診を兼ねることができます。
(下図参照)

受診後は、特定健診の結果から、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる方に対して、専門スタッフ(保健師、管理栄養士など)が生活習慣を見直すサポートをします。

2018年度より第三期特定健康診査・特定保健指導(2018年度~2023年度)が始まります。
「第三期特定健康診査等実施計画」には当健保組合の特定健診及び特定保健指導の具体的な実施方法、目標そして適切かつ有効な実施のために必要な事項を入れて作成いたしました。

特定保健指導

  1. 積極的支援
  2. 動機づけ支援
項目 これまでの健診 これからの健診と保健指導
目的
  • 早期発見
  • 早期治療
  • 内臓脂肪型肥満に着目した早期介入
  • 生活習慣が変わるように保健指導を行う
内容
  • 検診結果の伝達
  • 一般的な情報提供
  • 体のつくりと生活習慣との関係を理解
  • 生活習慣の改善を自ら選択し、行動する

ただ、これも加入者の皆様が健康に関心をもち、特定健診・特定保健指導を受けなければ、 絵に描いたモチになってしまいます。
まずは健診を受け、体の状態をチェックし、健康について考えるきっかけにしてみませんか。
当健保組合は、健やかな毎日を迎えられる体づくりをこれまで以上に応援します。

生活習慣を見直すとどのような効果があるか

生活習慣を見直すとどのような効果があるか、詳しくご説明します。 生活習慣を見直すとどのような効果があるか

制度創設までの流れ

これまでの健診や保健指導の取り組みは、健保組合や会社の努力に委ねられていました。
しかし、生活習慣病(不適切な食生活、運動不足、喫煙などで起こる病気)の増加等により医療費は毎年増え続け、医療保険制度は危機的な状況にあります。
生活習慣病は、国民医療費の約3割を占め、死亡数割合では約6割を占めます。

生活習慣病の医療費と死亡数割合

生活習慣病は、国民医療費の約3割を占め、死亡数割合では6割を占める。
医療費(平成15年度)
生活習慣病・・・10.2兆円
国民医療費・・・31.5兆円
死困別死亡割合(平成15年度)
生活習慣病・・・61.1%

(注)国民医療費(平成15年度)、わが国の慢性透析療法の現在(2013年12月31日)等により作成、(注)人口動態統計(平成15年)により作成

生活習慣病が重症化した脳・心臓疾患(脳梗塞・心筋梗塞等)は、そのほとんどが肥満からはじまり、その状態が放置されたまま、高血圧や高中性脂肪等のリスクが重なって引き起こされます。

脳・心臓疾患に至る経緯

血管障害を起こしている職員はほとんどがこのような経過を辿っている

A氏 54歳 脳梗塞

A氏 54歳 脳梗塞

B氏 57歳 心筋梗塞

B氏 57歳 心筋梗塞

生活習慣病は文字通り、長年の生活習慣のあり方が原因で引き起こされる病気です。
つまり、生活スタイルを改善することで予防可能な病気とも言えるのです。
こうして、国民の健康保持と医療費節減のために、本制度が創設されました。

特定健診とは?

メタボリックシンドローム※(内臓脂肪症候群)という概念を取り入れ、40歳以上の被保険者・被扶養者が特定保健指導の対象となるかどうかを判断するための健診です。
特徴は、内臓脂肪蓄積のレベルを測るために腹囲(おへその周り)を測定すること、メタボリックシンドロームに着目して高脂血症、高血圧、高血糖のリスクを判定する検査項目となっていること等です。
当健保組合の短期人間ドック(40歳以上対象)は、下記特定健診項目を網羅しています。
よって、短期人間ドックを受診することで特定健診を受診したことになります。

特定健診項目の結果から、その必要度にあったレベルの特定保健指導(動機づけ支援・積極的支援)を行います。

特定健診項目
必須項目 ○質問表(服薬歴、喫煙歴等)
○身体計測(身長、体重、BMI、腹囲)
○理学的検査(身体診察)
○血圧測定
○血液検査
  • 脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)
  • 血糖検査(空腹時血糖またはHbA1C)
  • 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
○尿検査(尿糖、尿蛋白)
詳細な健診の項目 医師が必要と認めた場合に実施
○心電図検査
○眼底検査
○貧血検査(赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値)

特定健診結果に基づく特定保健指導

特定健診の結果をもとに、メタボリックシンドロームの該当者あるいは予備群と判定された場合、個々人にあった生活習慣改善のための行動目標を設定し、自ら実行できるように医師、保健師、管理栄養士等の専門スタッフがサポートします。
このサポートは、必要度合いに応じて、動機づけ支援と積極的支援の2つに分かれます。

特定保健指導対象者の選定方法

特定保健指導対象者の選定方法は、

腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上 の場合は ①、
腹囲が男性85cm未満、女性90cm未満で BMI≧25以上の場合は ②、

となります。

特定健診結果に基づく特定保健指導
特定健診結果に基づく特定保健指導
情報提供 40歳以上の受診者(被保険者・被扶養者)全員に、生活習慣病の特性や生活習慣の改善のための基本的な情報を提供。
動機づけ支援 個別面接、又はグループ支援を原則1回行い、生活習慣の改善のための取り組みに係る動機づけ支援を行う。
6ヶ月後に通信等(電話・eメール・ファックス・手紙等)を利用して評価を行う。
積極的支援 個別面接、又はグループ支援を原則1回行い、生活習慣の改善のための、対象者による主体的な取り組みに資する適切な働きかけを相当な期間継続して行う。
6ヶ月後に通信等(電話・eメール・ファックス・手紙等)を利用して評価を行う。

データヘルス計画書

データヘルス計画書について

データヘルス計画は、医療費データや健診情報等のデータ分析に基づいて、PDCAサイクルで効率的・効果的な保健事業を実践するものです。すべての健康保険組合は第1期2015年度~2017年度の3ヶ年計画、第2期2018年度~2023年度の6ヶ年計画の実施を国から求められています。

富士ソフト健保組合データヘルス計画の概要

当組合は、疾病分類や他健保比較などの分析の結果、疾病別医療費の1位は呼吸器系疾患となっています。また、罹患件数についても呼吸器系疾患が1位となっていることから、一人当たりの年間医療費は低い者が多いが、罹患者数が多いという事が分かりました。
そこで第1期のデータヘルス計画では、加入者全体に対してポピュレーションアプローチを行うのが有効と考え、健保ホームページを主に用いて一人ひとりのヘルスリテラシーを高めるための広報活動を継続・拡大する計画を実施しました。
しかし、ホームページのように万人向けの情報提供だけでは、関心を引き付けるにも限界があり、より健保からの情報に対する関心を上げてもらうためには加入者個々の健康状況に応じた情報提供が有効であると考え、第2期ではポータルサイト(Pep Up)をさらに活用していきます。

データヘルス計画概要